解説
ガンマ分布は指数分布の和で定義されます.
独立同分布な待ち時間 (率 )とする. 尺度は .
このとき,和
となる. ここで は形状パラメータ, は尺度パラメータ.
例えば
「外来患者の到着が一定率のポアソン過程で とする. このとき 人目までの累積待ち時間 は に従う.」
を使う流儀と を使う流儀があります.混乱するので気を付けましょう. 個人的には 派です.(統計検定では が多いような...)
定義
形状 , 尺度 , に対して
確率密度関数のグラフ
定義
に対して
ここで は第一種不完全ガンマ関数.
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導出
ガンマ分布 の密度は
より,
と書ける. とおくと で
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導出
ガンマ分布 に対して
より,まず を計算する.
とおく. すると .
一方で なので
積率母関数
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導出
ガンマ分布 の密度
より
ここで を仮定する.
とおく.
すると , .
特性関数
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導出
積率母関数が ()なので,
注意
ガンマ分布は尺度パラメータが共通の場合のみ再生性があります.
定義
再生性は積率母関数を使うと簡単に証明できます.
確率変数 は独立に , とする(同一の尺度 ).
とおく.積率母関数 について,独立性より
これは の積率母関数であり,積率母関数の一意性から,
同様に 個の独立な の和も に従う.

日本統計学会
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