2013年 統計数理 問4
2025/09/23約3分
2013年 統計数理 問4
![日本統計学会公式認定 統計検定 1級 公式問題集[2012〜2013年]](https://m.media-amazon.com/images/I/61GHu8G0tgL._SY425_.jpg)
日本統計学会公式認定 統計検定 1級 公式問題集[2012〜2013年]
過去問2012年・2013年
解説
ウィルコクソンの符号順位検定に関する問題です.
問題文は一見難しそうですが、一つずつ整理すると簡単な確率の問題に帰着できます.
問題設定として以下の条件があります.
- 2変量連続型分布からの無作為標本
- 差
- 差
の母集団分布 の中央値を vs- 有意水準5%の検定
を中心に左右対称- 棄却限界値を
として
[1] サンプルサイズ
解説
すべての
つまり
すべての
解答
したがって有意確率
(当たり前だが、
| n | 判定(有意水準5%) | |
|---|---|---|
| 1 | 0.50000 | Accept |
| 2 | 0.25000 | Accept |
| 3 | 0.12500 | Accept |
| 4 | 0.06250 | Accept |
| 5 | 0.03125 | Reject |
| 6 | 0.01563 | Reject |
したがって
[2] 棄却限界値と有意確率
解説
おそらく[2]がこの問で一番大変だと思います.
数え上げは必ず見直しをしたいですね.
横軸を順位和, 縦軸にcountをとったときのヒストグラムと分布は以下のようになります.


解答
| 組み合わせ例 | 組み合わせ数 | 右側累積個数 | 右側確率 | |
|---|---|---|---|---|
| 28 | 1 | 1 | ||
| 27 | 1 | 2 | ||
| 26 | 1 | 3 | ||
| 25 | 2 | 5 | ||
| 24 | 2 | 7 |
よって
実際の有意確率は
[3] 期待値と分散
解説
同順位なし, 差0が無い場合,
ベルヌーイ分布を用いることで、全ての順位を同時に扱え、計算の見通しが良くなります.
期待値
分散
[4] 正規近似 棄却域
解説
正規近似(連続修正無し)
解答
標準化すると,
したがって棄却域は,
解答
標準化すると,
したがって棄却域は,
これは厳密分布の棄却域
参考文献
![日本統計学会公式認定 統計検定 1級 公式問題集[2012〜2013年]](https://m.media-amazon.com/images/I/61GHu8G0tgL._SY425_.jpg)
日本統計学会公式認定 統計検定 1級 公式問題集[2012〜2013年]
過去問2012年・2013年

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