2次元正規分布の条件付き分布
2025/09/24約3分
2次元正規分布の条件付き分布
統計検定1級では2次元正規分布の条件付き分布がよく出てきます.
しかし公式を丸暗記しようとすると、平均や分散の形を間違えやすく、苦労する人も多いと思います.
そこで本記事では 「標準正規分布」から「一般の正規分布」へ変数変換する流れを押さえることで、
公式をシンプルに導出する手順をご紹介します.

ポイント
- 標準正規分布での結果を 「そのままスケール・シフト」 するだけで一般形が出る
- 覚えるべきは「標準正規の条件付き分布」の形だけ
これを押さえると、統計検定の条件付き分布問題もスッキリ解けます!
1. が標準正規分布の場合
に従うとする:
条件付き分布
導出の手順はこちら
導出
2次元正規分布の同時確率密度関数は
まず
したがって
指数の中を整理すると
したがって
これは平均
2. が一般の正規分布の場合
標準正規分布からの変数変換を用いると,一般の場合も同様に導ける.
例えば
ただし
このとき
条件付き分布
導出の手順はこちら
導出
- 標準化
標準化した変数を
とすると,
- 標準正規の場合の条件付き分布
すでに導出した結果より
- 元の変数に戻す
に対応する .
したがって
の変換 なので,条件付き分布は
以上で導出完了.
参考文献

新装改訂版 現代数理統計学
統計検定1級対策に定番の書籍 難易度は高めだが演習問題も豊富
