GLCP: グローバルとローカルで持続性を保持した管状構造セグメンテーション
GLCP: グローバルとローカルで持続性を保持した管状構造セグメンテーション
今回はMICCAI 2025で早期採択された論文
GLCP: Global-to-Local Connectivity Preservation for Tubular Structure Segmentation を紹介します。
TL;DR
- MICCAI 2025で早期採択🎉
- スケルトンのグローバルなトポロジー情報に加えて ローカルな不連続情報 (どこが不連続点なのか) を考慮することで管状構造に特化したセグメンテーションを実現
- nnUNetに数個の畳み込み層を追加するだけの 軽量設計

概要
管状構造のセグメンテーションは医療分野において重要な役割が果たしています. 代表的な管状構造としては 血管・気管・尿管 などが挙げられます.
これらの構造では, 予測結果が断続的になる課題 がしばしば発生していました. 既存研究の clDice や Skelton Recall などは枝レベルの連続性を評価できますがピクセル単位の局所的不連続には弱いという限界があります. そこでこの研究では, グローバル(枝レベル)とローカル(ピクセルレベル)の両方の情報を統合したフレームワーク を開発しています.
イントロ
イントロダクションでは既存研究の動向を モデルベース・特徴量ベース・Lossベース の三つに分類しそれぞれの特徴と課題に言及しています.
この背景をもとにモチベーションを明確化し, 開発した以下二点を紹介しています.
- Interactive Multi-head Segmentation (IMS)
- Dual-Attention-based Refinement (DAR) module
既存研究手法の分類
| カテゴリ | 参考番号 | 概要 |
|---|---|---|
| モデルベース | 3, 15, 18, 26 | モデルレベルで管状構造の固有特性に適合させることを狙っているが、画像内の管状構造は本質的に疎であるため、これらの手法はそれらを正確に捕捉・描出するのにしばしば苦労する. |
| 特徴量ベース | 13, 7, 27, 17 | 追加の特徴表現をモデルに組み込むことで管状構造の幾何学的・位相的特性を捉えることを目的としているが、冗長な特徴表現によって性能と効率性が損なわれる可能性がある. |
| Lossベース | 20, 11, 23, 19, 14, 28 | 環状構造のトポロジカルな連続性を強化するために様々な損失関数を導入しているが、局所的な不連続を無視 |
方法
このフレームワークは2つのIMS/DARの2種類のモジュールにわかれており IMSがグローバルとローカル情報の抽出, DARがIMSで取得した情報を用いてセグメンテーションマスクを精緻化 を担当しています.
Interactive Multi-head Segmentation (IMS)
IMSはSegmentation/Skelton/Discontinuityの3つのHeadを持ちます。

それぞれの役割は
| Head | 記号 | 役割 | Layer | 出力 | 出力形状 |
|---|---|---|---|---|---|
| Segmentation | 管状構造を予測したセグメンテーションマップを出力 | ||||
| Skeleton | 管状構造の中心線のみを予測した二値マップを出力 | ||||
| Discontinuity | 「不連続になりやすい位置」を1とした局所的な二値マップを出力 |
不連続点の推定方法
不連続点は以下の手順で推定します。
スケルトンのGT
と,セグメンテーション出力 から得られるスケルトン を用意する.スケルトン
中の端点の集合をそれぞれと定義する.
各予測端点について距離を
と計算し,その集合を
とする.
動的な閾値を
として,不連続候補点の集合を
と定義する.
3-4を対照的に
方向から見ると二つの不連続点候補集合の和集合をとり,
でまとめる
このプロセスを経て不連続点集合は二次元、三次元の点の集合であるため、学習するには疎で不安定です。
そこで以下の式で点を膨張させます.
この式は点を長方形で囲むことを表しています。

これらから得られるマップから一貫性損失を以下の用に定義します.
Dual-Attention-based Refinement (DAR)
執筆中...
